http://www.j-factoring.or.jp/15042325057354
大阪などで摘発・・・法規制着手!! 29.8.31
ファクタリングと偽装ヤミ金の違い
債権を買い取って回収を代行するサービス「ファクタリング」を装ったヤミ金融が横行し、警察当局が取り締まりを強めている。大阪府警は今年、回収業務と称して高金利での貸し付けを繰り返したとされるグループのメンバーを逮捕。摘発の動きは各地に広がりつつある。
手形割引に変わる資金繰りの手段として利用する企業が増えるなか、サービスへの法規制を求める声も上がる。
昨年9月ごろ、関西の加工会社会長は自社の事業運営に頭を抱えていた。売掛金の回収が進まず、運転資金は枯渇。資金繰りに窮した状況で勧誘を受けたのが、東京都内のファクタリング業者だった。
会長は約320万円の売掛債権を業者に譲渡する一方で、同じ業者から20万円を借り入れた。利息を含めて31万円を返済したが、債権は結局、業者の求めで会長側に戻ることになったという。
業者は債権の購入代金を支払っておらず、府警生活経済課は一連の取引について、債権を担保にした無登録での違法な貸し付け行為だったと判断。同じグループのメンバーが複数の中小企業を相手に、同様の手口による貸し付けを繰り返したとして、今年1月以降、14人を貸金業法違反などの疑いで逮捕した。
府警によると、ファクタリングを偽装したヤミ金融の摘発は初めてといい、これまでに大阪地裁は判決期日を迎えた中心メンバーらを有罪とした。7月には栃木県警が別グループの男2人を逮捕するなど、各警察も捜査を進めている。
新手のヤミ金業者が暗躍する現状について、日本ファクタリング業協会(東京・中央)は「ファクタリングは企業の資金繰りに不可欠な存在になっている。一部の悪質な業者によって、円滑な経済活動が阻害されかねない」と懸念する。
営業登録や金利などで法律の網がかかる貸金業と異なり、ファクタリングに対する規制のない現状を問題視する意見もある。ヤミ金融に詳しい前田勝範司法書士は「ファクタリング業に登録制を導入して実態を把握しやすくするなど、ヤミ金業者を排除できる仕組み作りが必要だ」と強調している。