事業資金融資の審査と運転資金借入の資金繰り

静岡県の【銀行】の事業資金融資を比較!運転資金の借入がしやすいのは?

目次

静岡の4つの地銀、事業資金を借りやすいのは?~銀行員が解説

今回は地方銀行が4つもある静岡県で、各銀行の特徴や融資への姿勢などを比較しながら、事業資金を借りやすいのはどこか?について「銀行の中の人」銀行員が説明します。

また銀行が競争相手にライバル意識を強く燃やすことを「競合」と言い、この競合を上手に利用して事業資金融資を受けやすくするコツにも触れたいと思います。

今回は静岡県に住んでいて、これから起業しようと思っている人、または初めての銀行融資を検討している人にぜひ参考にしてもらいたい内容です。

(私は銀行員ですが、記事は公平にしようと、特定の銀行に肩入れはしておりません。また先入観や誤解を生じさせないよう、所属する銀行名は明かさないことにします)

 

静岡県にある4つの地銀、その概略と特徴~ランク付けのまえに

そもそも、なぜひとつの県に4つも地方銀行がひしめき合っているのか?

1つ目の理由は地域性で、江戸時代の遠江(現在の浜松周辺)、駿河(静岡市)、伊豆(伊豆半島周辺)という三つの地域(国)がまとまり静岡県になり、それぞれの地域にあった銀行が、合併せず残っているからです。

2つ目の理由は銀行の種類が違うという点で、地方銀行は静岡銀行、スルガ銀行、清水銀行、そして第二地銀(以前の相互銀行が転換した地方銀行)が静岡中央銀行と、種類が違うことも原因の一つです。

4つの地銀~概略

では、まず各銀行の概略と特徴を簡単に説明します。

後半の順位付けを理解しやすくするためなので、結論のあとから確認しても結構です。

なお説明の順番は50音順です。( )は各銀行での表現です。詳細はHPで確認してください。

静岡銀行【東証一部上場】

静岡銀行は静岡県静岡市に本店がある地方銀行です。

資本金908億円  貸出金残高8兆5,568億円  預金残高9兆8,777億円

従業員2,819名  営業拠点209 *営業拠点とは本支店、海外事務所等です

静岡県以外では東京都、神奈川県、愛知県、大阪府と海外に拠点があります。

<2019年7月31日現在の内容  静岡銀行HPより

URL https://www.shizuokabank.co.jp/companyinfo/profile/gaiyo_history.html

静岡中央銀行【非上場】

静岡中央銀行は静岡県沼津市に本店がある第二地方銀行です。

資本金20億円  貸出金残高(融資量)5,072億円  預金残高(資金量)6,151億円

従業員466名  営業拠点44

静岡県以外では東京都、神奈川県に拠点があります。

<2019年3月31日現在の内容 静岡中央銀行HPより

URL https://www.shizuokachuo-bank.co.jp/about/gaiyo.html

清水銀行【東証一部上場】

静岡中央銀行は静岡県静岡市清水区(旧 清水市)に本店がある地方銀行です。

資本金108億1,626万円  貸出金残高1兆1,291億円  預金残高1兆3,903億円

従業員914名 営業拠点79

静岡県以外では東京都、愛知県に拠点があります。

<(平成31年)2019年3月31日現在の内容 清水銀行HPより

URL https://www.shimizubank.co.jp/aboutus/information/#a_2

スルガ銀行【東証一部上場】

スルガ銀行は静岡県沼津市に本店がある地方銀行です。

資本金300億43百万円  貸出金残高2兆6,716億円 預金残高3兆1,649億円

従業員1,497名 営業拠点131

静岡県以外では東京都、神奈川に拠点があります。

また北海道、宮城、埼玉、千葉、愛知、大阪、京都、広島、福岡に1拠点があります。

<2019年9月30日現在の内容 スルガ銀行HP 及び 有価証券報告書第209期第2四半期より

URL https://www.surugabank.co.jp/surugabank/investors/financial/r1/pdf/yuuho_r1_2.pdf

営業拠点は2019年6月30日現在 スルガ銀行HPより

URL https://www.surugabank.co.jp/surugabank/corporate/profile/    >

4つの地銀、データによるランク付け

資本金など各種数値をランク付けすると以下の通りです。

<4つの地銀、データによるランク付け>

  • <資本金>    1位・静岡銀行 2位・スルガ銀行 3位・清水銀行 4位・静岡中央銀行
  • <従業員>    1位・静岡銀行 2位・スルガ銀行 3位・清水銀行 4位・静岡中央銀行
  • <拠点数>    1位・静岡銀行 2位・スルガ銀行 3位・清水銀行 4位・静岡中央銀行
  • <貸出金残高> 1位・静岡銀行 2位・スルガ銀行 3位・清水銀行 4位・静岡中央銀行

4つの地銀~特徴をひとことで

次に4つの地銀の特徴を説明していきます。(ここでは銀行員目線の私見も含みます)

静岡銀行~スケールメリットはダントツ その反面「殿様商売」の一面も

データによるランク付けでは総じて1位なのが静岡銀行です。

スケールメリットの面では間違いなくトップなのですが、その反面融資審査はきびしく「シブ銀」とも呼ばれています。

バブル期、銀行業界全体が不動産関連融資に積極的だったときも、一定の距離を置きバブルにまみれなかったなど堅実経営を貫いています。バブル崩壊後ダメージを受けた銀行も多い中、「なにもしなかった」ため結果的に地位を上昇させた、ある意味珍しい銀行です。

堅実経営と融資審査にきびしいからか、口コミでもきびしい意見が多く、全般的に「殿様商売」要素が強い銀行です。

静岡中央銀行~小規模だからこそ、地域密着度は高い

規模だけで見れば同じ県内の信金より小規模です。

<参考 静岡県内 主要信金の概要>

 浜松岩田信用金庫 拠点数92 貸出金残高 1兆2,287億円(*)

 静岡信用金庫   拠点数42 貸出金残4,641億円

(*浜松磐田信金は合併したばかりなので、あくまで参考として)

しかし信金より小規模だからダメ、ということではありません。これは静岡銀行が大きいから良い銀行、と単純に言えないことと同じです。(このあたりは後半で詳しく説明します)

年金相談会、お客差セミナーなどを頻繁に開催。地元行事へも積極的に参加しており、たとえば行員が狐の新郎新婦に仮装し「狐の嫁入り行列」のパレードをするなど、きめ細かに対応しています。

小規模だからこそ、地域密着度の高さは随一です。

清水銀行~静岡銀行に敵意むき出し?

静岡銀行とは本店が同じ静岡市で(正確には清水銀行は旧清水市 静岡銀行は静岡市)、営業テリトリーもバッティングしているため、清水銀行は静岡銀行に対し敵意むき出しだと、地元では知られています。

たとえば、支店や住宅ローンセンターなどを静岡銀行と対抗的な配置をしたり、「静岡さんが〇〇%ならウチは▲▲%に下げますから、ぜひウチで!」と営業活動でもハッキリライバル視したりしています。

これは銀行ホームページなどには載っていない情報ですが、静岡県内で銀行と融資取引をしている人のあいだでは結構有名な話題です。

銀行が銀行をライバル視する状態が「競合」で、これについては後半に詳しくお話しします。

スルガ銀行~シェアハウス問題からの立ち直りと、事業資金融資への取組み方針がまだ見えない

ローン中心、ローンの積極推進で前任の金融庁長官からベタ褒めされた経営方針も、結果的にはシェアハウス問題として報道され、皮肉にも知名度が全国区になりました。

原因となった不正融資問題など、今後の経営等課題は山積しています。

これまでの姿勢を踏襲しているのか事業性融資への取組み姿勢の転換がわかりません。(ホームページで事業資金融資は「ローン」「カードローン」の説明くらいです)

また貸出金の構成を見ても、依然としてローン偏重の姿勢は変わっていないことがわかります。

<参考 2019年中間期決算概要より> 2019年9月末の残高 

  総貸出金2兆6,716億円のうち個人ローンは2兆4,554億円、 法人は2,125億円

 (個人ローンはシェアハウス融資や住宅ローン、カードローンなど無担保ローンも含む 法人は事業資金と推測される)

貸出金に占める割合は個人ローンが91.9%とほぼ全部で、法人融資は7.9%しかありません。

しかしこの経営方針のおかげか、高金利のローンによる利息収入などで、収益力は国内の全銀行のなかでも上位です。

 

静岡県の4つの地銀、事業資金を借りやすいのはどこ?

銀行を比較するのは、実はとても難しいことです。

なにが良いのか?なにが悪いのか? これは利用する人によってさまざまです。インターネットバンキングを主に利用する人ならネットサービスの充実度で比べるでしょうし、運用を重視するなら投資など金融商品のラインナップやアフターサービスを重視するかも知れません。このように、銀行の比較は難しいことがご理解いただけたと思います。

銀行融資もまったく同じで、単純にどこが良いどこがダメと決めつけることはできません。

なによりも、融資は申込んだ人の属性や融資の内容などさまざまな要素で審査をするものであり、一概に「あの銀行は審査がきびしい」「この銀行は融資条件がゆるい」とは言えないのです。

そうはいっても、読者の皆さんに参考となるように「銀行の中の人」の考えでランク付けしてみました。

公平を期すため「創業融資」をキーワードにホームページを見て、事業資金に対する各行の姿勢を判断しました。

最初にお断りしておきますが、以下は銀行員としての私見による内容です。

実際の融資審査はそれぞれの銀行基準で決まりますので、あくまで参考と考えてください。

<事業資金を借りやすいランキング *ただし銀行員の私見です>

  1. 清水銀行
  2. 静岡銀行
  3. 静岡中央銀行
  4. スルガ銀行

事業資金借りやすい 第1位 清水銀行

ホームページには事業資金専用の項目が充実しています。創業融資も公的融資、清水銀行独自の融資など多彩でかつわかりやすい印象を受けました。

また「挑戦しなければ成功しない」これは創業融資のページにあった言葉ですが、創業に対しても積極的な支援の姿勢が感じられます。

ホームページの充実から感じられる事業資金融資への積極姿勢と、上記した静岡銀行へのライバル意識から借りやすさ第1位にしました。

事業資金借りやすい 第2位 静岡銀行

清水銀行ほどではありませんが、ホームページでは清水銀行と同様に事業資金融資専用の項目があり、こちらも内容は充実しています。創業融資も静岡銀行独自商品があり、積極性は感じられました。

一般的な事業資金融資以外にも、「最短即日回答」のスピードを売りにする融資もあり、大規模でありながら小口融資にも対応する姿勢が感じ取れました。

規模では最上位、創業融資や独自商品など融資姿勢の積極性も感じられ、借りやすさで2位にしました。

事業資金借りやすい 第3位 静岡中央銀行

創業融資については、特にホームページで目立った記載がありませんでしたが、事業資金融資専用ページはあって、内容も充実しています。

しかし商品ラインナップは少ない印象で、また300万円まであるいは500万円まで、と銀行としては融資限度が少額なところに若干の不足感を感じました。

地域密着度の高さなどは個人的に知っていた情報ですが、ホームページからはそうした強みを汲み取れませんでした。

規模、また銀行の知名度など他と比較すると見劣りするのは否めず、3位としました。

・事業資金借りやすい 第4位 スルガ銀行

上記したことですが、ホームページでは事業資金融資の情報が圧倒的に少なく、充実度は感じられません。

創業融資についても、特段の記載を見つけることはできませんでした。

以上より、スケールメリットや知名度は充分あっても、事業資金への取組みはまだ様子を見なければいけない印象です。

経営上の問題もまだ抱えている状況でもあり、事業資金の借りやすさでは4位としました。

ただし、方向転換により事業資金に注力するようになれば状況は変わるのではないかと思います。

「競合」を上手く使って事業資金融資を受けやすくするコツ

上記はあくまで私見から来る順位ですが、借りやすさについてとりあえずランク付けはできました。

では次に、少しでも融資を受けやすくするために「競合」を上手く利用するコツについてお話しします。

競合では銀行のプライドを上手に利用する

各行ともそれぞれプライドがあり「あそこには負けられない」とライバル視している相手が必ずあります。

また競合が激しくなると、ときに「ムキ」になることもあります。

たとえば融資を1億円肩代わりされたら、倍の2億円あるいは3億円の肩代わりをやり返せ!と役員から叱咤激励があるといった具合で、数年前銀行が舞台のドラマにあった「倍返し」は現実の話しです。

このように、まず銀行には競合があるということを知ってください。

そして銀行や銀行員のプライドを上手に利用すると、事業資金融資を受けやすくなるかも知れませんが、これについては事項でコツや注意点を説明します。

銀行を競合させるには?~銀行に伝えるときに気をつけること

あなたが融資取引中のA銀行窓口で、融資の相談をしている場面を想像してください。

(あなた)

「こちら(A銀行)に来る前に、実はB銀行さんにも相談しているんですよ」

これでは、銀行を競合させるには直球すぎます。

私がA銀行の行員なら「B銀行で断わられたから、ウチに頼みに来たのでは?」と勘ぐるでしょう。

あるいは「今までいろいろ助けてあげた恩も忘れて」と感じるかも知れません。もちろん助けたのは銀行であって、私個人ではないのですが、銀行員という人種は往々にしてこうした思考回路を持っています。

なぜなら銀行員はプライドが無駄に高いからです(やや自虐的ですが、本当にそう思います)

また、天秤に掛けていると見られて「何様のつもりか!」と反感を買う場合もあります。

「ウチで取引していただかなくても結構です、そちら(他行)でご用立てください」

こう言われてしまったら本末転倒です。このあたり、駆け引きというよりも人と人との接し方に関わる部分で、やはりなにごともやり過ぎは禁物です。

次項で、理想的なモデルケースをひとつ紹介します。

銀行を競合させる理想的モデルケース

銀行員の私が「こう言われたらかなわないな」と感じるトークを紹介します。

創業融資の相談で、あなたが2つめのA銀行窓口で行員の私と会っているとイメージしてください。

(あなた)

「創業融資を受けたいと相談に来ました。事業の将来性と私のやる気には自信があるのですが、なにぶん金融機関と取引経験が浅く、またいろいろな銀行の人にプロとして私の事業計画を吟味してもらいたいので、A銀行さんのまえにB銀行(1つめの銀行)に相談しています。このあとC銀行さん(3つめの銀行)にも相談に行こうと考えています」

あなたからこう聞いて、窓口行員の私は「かなわないな」と感心しました。

まず銀行を競合させるときには、最低でも3つ銀行を並べるのが理想です。2つだけでは真っ向勝負になり、むしろ競合がマイナスになる可能性もあるからです。

また「自分の事業計画に自信があるから複数行に相談したい」と、意図的に競合させていない点も好感が持てます。

銀行員に取引させたいと感じさせる、上手い内容だと思います。

 

まとめ~銀行選びにはいろいろな視点を持って下さい!

今回は静岡県にある4つの地銀をランク付けしました。

しかし、あくまで事業資金の借りやすさという点に限定した内容で、決して銀行の優劣を決めたものではありません。

たとえばスルガ銀行なら、ローンについて他の追随を許さないノウハウがあります。不正融資問題を乗り越えれば、やはりローンへの強さは一番だと思います。収益面、銀行員の年収などは4行というより全国区でもトップランクです。

静岡中央銀行も、規模は見劣りするかも知れませんし、支店のある地域が限定されてしまいますが、その限られた中であれば地域とのつながりは強く、取引メリットも充分あると思います。

今回は私見ランキングで上位にしましたが、静岡銀行や清水銀行にも良いところもあれば悪いところもあります。

銀行選びにはいろいろな視点が必要だ、ということはぜひお伝えしたいです。

事業を大きく発展させたいなら銀行の支店網やネームバリューも重要になりますし、銀行との取引は融資だけではないので、その他のサービス全体を見て決めることも重要です。

一般的に、最初に融資してくれた銀行がそのままメインバンクになっていくことが多く、このことは銀行も充分知っており、新規融資には慎重姿勢を取りつつも、本音は積極的に融資したいと考えているのも事実です。

もちろん「そうはいっても貸してくれる銀行と取引するしかない」「まだ銀行を選べる身分じゃない」という意見もあるでしょうし、

たしかにその通りでもあります。

ただ、最初は仕方なく取引した銀行でも、これからも長く付き合っていく相手か?それを見極めて、必要なら他の銀行に乗り換えることも考えるべきでしょう。

そして、そうできるように事業が発展することを願い、今回のまとめとします。

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