ファクタリング

ファクタリングとは?その仕組は?ファクタリング契約の意味と注意点も

(1)はじめに
税理士という職業柄、クライアントから事業資金の調達についての相談を受けることが多々あります。そんなとき多くの経営者がイメージされる資金調達の方法というと銀行からの融資です。うちの会社はいくら位借りられるか、そもそも銀行から借入れできるのか、担保になるものがないけれどお金は借りられるのか、といった様々なご質問を受けます。
銀行融資の場合であれば、運転資金や設備資金などの用途で借り入れすることができますが、その際には銀行から会社の財政状態(貸借対照表)や経営状態(損益計算書)により、融資可能か判断されるため開業して間もない経営者や、ここ数年の経営状態が悪くなっている事業者、借入が過大になっている事業者は融資を受けることが難しい方もいます。
そんな経営者にアドバイスとしてファクタリングという方法をご紹介することがあります。ファクタリングとは、簡単にいえば会社の売掛金などの債権をファクタリング会社に売買し、手数料を差し引いた差額を現金化するというものです。資金調達の手段として、日本では1970年代に導入されましたが、現在まであまり日本には根付いてきていない状況です。これは日本の商取引の習慣として、手形取引があったことが大きな要因と考えられます。おそらく長年企業経営を行っている経営者の方であれば手形の裏書や割引といったものは聞いたことがあるのではないでしょか。これはファクタリングの売掛債権譲渡と非常に似た性質であったため、従来手形決済が中心であった日本の商慣行の中ではファクタリングという方法の必要性があまり高くなかったためと考えられます。
しかし近年は、資金決済の方法の多様化により、手形取引は全盛期の1割程度まで減っていると言われ、これによりファクタリングに注目が集まっているのです。これを機に経営者の方の資金調達手段のバリエーションの1つとしていただければと思います。

(2)ファクタリングを導入した会社の実例
健康食品の卸売業を営むクライアントで、大きな取引がある時などは比較的銀行融資も頻繁に利用する社長だったのですが、やはり銀行で借り入れを行おうとすると諸々の書類の準備や銀行内の稟議など煩わしさを感じることも多かったそうです。そんな時に大手のネット通販会社に毎月1,000万円単位で商品を卸す取引の契約が取れたのですが、社長から資金繰りの相談を受けました。
その大手ネット通販会社の売掛金の支払いサイトが月末締め翌々月15日払い(つまり短いもので45日、長いものでは75日)ととても長い一方、仕入れの支払いサイトは今までに取引のあった業者に注文をするため長い支払サイトを受けてもらうことができず、月末締め翌月末支払い(短いもので30日、長いもので60日)となってしまいました。一見15日だけの入金のズレという感じもしますが、日々資金繰りに奔走している経営者の方であればこれがどれだけ大変なことがご理解いただけるかと思います。買掛金の支払サイトが15日短いということは、その15日間仕入代金は自己資金で賄わなければいけないということになります。これが少額の取引であればなんていうことはありませんが1,000万円にも及ぶ取引ともなれば常にそれに近い金額を余裕資金としてもっていなければ取引が継続できないことになってしまうからです。しかし、いざ足りなくなった時にその都度銀行の融資を受けるのでは安定した取引も困難になってしまいます。そんな社長に提案したのがファクタリングによる売掛債権の現金化でした。
現在はメガバンクであれば関連会社でファクタリングを専門に扱う会社があることが一般的です。そこで社長が過去より融資などで付き合いのあるメガバンクに相談をし、月末に締めて金額が確定した売掛金を翌月の中旬~下旬までにファクタリング会社に債権譲渡し、現金化するというサイクルを確立しました。これにより月末の買掛金の支払い前に現金を手にすることが可能となり社長は資金繰りが非常にスムーズになったと喜んでいました。
この実例はファクタリングのメリットがとても顕著に表れていると思います。ファクタリングを行う際には資金回収のスピード等に応じ、売掛債権の額面に掛け目がかかったり、取引手数料がかかったりしますが、時には安定した資金繰りを実現するという観点から、それらを事業安定の必要経費と考えファクタリングを行うことも選択肢の一つになるのではないでしょうか。

(3)ファクタリングの基礎知識
・償還請求権のある売掛債権担保融資
「償還請求権がある」とは、譲渡した債権(売掛金など)の売掛先が倒産した場合に、元の所有者へ保証を請求できる権利がある契約を指します。仮に御社が償還請求権のある売掛債権担保融資契約をし、得意先が倒産した場合には御社がその全部又は一部を負担する必要が生じます。そのため得意先からファクタリング会社への売掛代金の決済が完了するまで御社はリスクを有することになります。一方でこの契約のメリットは償還請求権がない場合に比べ手数料が安いことが挙げられます。

・債権請求権のない(ノンリコース)売掛債権売買
償還請求権のない売掛債権売買メリットは、売掛先が倒産しても、元の債権の所有者は一切保証の義務が生じない点です。つまり売掛先が倒産した場合でもその損失についてはファクタリング業者や融資をする事業者が負担することになります。そのため手数料は高くなりがちという傾向があります。

・一括ファクタリング
企業が保有している売上債権を、手数料を支払ってファクタリング会社に買い取ってもらう契約を指します。これによって通常であれば支払期日まで待たなければならない売上債権を現金化することが可能となり、企業は資金繰りが円滑になります。なお、契約に際してはファクタリング会社により、3社間ファクタリングと2社間ファクタリングを取り扱う会社があり形態により手数料なども異なります。
・3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、下記の(図1)のとおり、顧客、売掛先、ファクタリング会社の3社が絡む取引になります。手順としては、①で発生した売掛金が譲渡する債権になり、②でファクタリング会社と顧客、ファクタリング会社と売掛先がそれぞれ契約を行います。契約完了後、③でファクタリング会社が顧客に対して債権の買取代金を支払い、④で売掛先がファクタリング会社に対し支払期日までに売掛代金の支払いを行います。
顧客にとって一番大きい問題はファクタリングを行っているという事実が②の段階で売掛先へ通知される点が挙げられます。これによって取引先から財務状態を心配され取引に影響が出る可能性も考えられるため、このようなリスクは契約の際にも考慮が必要となります。
ただし、この取引の場合には次に説明する2社間ファクタリングに比べ、ファクタリング会社の資金回収リスクが低くなるため手数料の安価になる傾向があります。

・2社間ファクタリング
2社間ファクタリングで契約を行う際には、顧客とファクタリング会社にのみが当事者になります。流れは下記(図2)のとおり、①で発生した売掛金が譲渡する債権になり、②でファクタリング会社と顧客の2社のみで契約を締結することになります。これに基づき③でファクタリング会社が顧客に対して債権の買取代金の支払いを行います。ここまで3社取引と近い形式なのですが、ここからの流れが異なります。資金回収については④で顧客自身が売掛先から売掛代金の回収を行い、その代金を⑤で顧客がファクタリング会社へ振り込む流れとなります。
この取引では売掛先に対し、顧客がファクタリングを行う事実が通知されないため3社間取引の場合に挙げたような売掛先からの信用リスクが生じないといったメリットがあります。
一方でファクタリング会社の立場からすると④の売掛金回収時(倒産リスク)と、さらに⑤での売掛代金回収時(顧客が回収した資金を運転資金に流用してしまうリスク等)においてリスクを背負う形になるため手数料は高くなる傾向があります。

・医療報酬債権ファクタリング(介護報酬ファクタリング)
医療診療所、病院、介護事業者などの事業者を対象にしたファクタリングの方式です。社会保険診療支払基金や国民健康保険連合会などから振り込まれる診療報酬(※)が対象債権となります。
(※) 医療関連の事業者は、診療をしたときに患者さんや利用者から1割~3割の本人負担分のみを受け取り、残りの大部分については社会保険診療支払基金などから2か月後に振り込まれる仕組みになっています。

医療報酬債権ファクタリングは特に開業時などに有効な方法となります。開業から2ヶ月は諸々の支払いが生じる一方で、診療報酬は入ってこないため余剰資金がない場合には資金繰りが逼迫してしまいます。このようなときにファクタリングを利用することで、収入を適切な時期に受け取ることはでき、給与や診療所家賃、初期投資の借入金返済などの諸費用を無理なく支払っていくことが可能となります。
なお、通常のファクタリングと比べ、債権者が公的な機関であるため回収リスクは著しく低いことから手数料は低くなる傾向があります。
・国際ファクタリング
国際ファクタリングとは、ファクタリング会社が輸出債権を買い取る制度です。国際ファクタリングは顧客、売掛先(輸出先)、国内ファクタリング会社、海外ファクタリング会社の4社での取引となります。国際ファクタリングの流れは以下の通りです。

①顧客と海外の売掛先が売買契約を結ぶと同時にファクタリング契約を締結。
②顧客が国内のファクタリング会社へ保証依頼。
③国内ファクタリング会社が海外のファクタリング会社へ販売先企業の調査を依頼し、調査の結果算出された保証額を国内ファクタリング会社へ通知。
④売掛代金を売掛先が海外のファクタリング会社へ支払い。
⑤海外のファクタリング会社が国内のファクタリング会社へ代金を支払い。
⑥国内のファクタリング会社が自社へ販売代金支払い。

国外の事業者と取引を行う場合には、代金回収のリスクが高くなります。そこでファクタリング会社を間に入れることで、ファクタリング会社が海外の事業者の信用調査を行うため代金回収のリスクが減るというメリットがあります。

・保証ファクタリング
保証ファクタリングとは、一括ファクタリングのようにファクタリング会社が売掛債権を買い取るのではなく、売掛債権を保証する契約を指します。仮に得意先が倒産してもファクタリング会社が保証してくれるため、保証ファクタリングを付けておくことで万が一に備えることが可能になります。

・中小零細企業が事業資金調達や運転資金繰りでファクタリングを検討したほうが良い場合、ファクタリングを使っても良い場合

①大型案件を受注したケース
今までファクタリングを利用したことのない経営者の方でも、スポットで大型案件を受注したした際、大きな課題になるのが資金繰りです。小売業や卸売業であれば仕入先への支払い、製造業や建築業であれば材料の調達、人工の代金の支払いなど経費の先払いが発生することで余剰資金がない場合には資金繰りに行き詰まる恐れがでてきます。そんなときにファクタリングを利用し、売掛金を早期に資金化すれば、経費の支払いをスムーズに行っていくことが可能になります。

②銀行融資を受けることが難しいケース
運転資金が必要になり融資を申し込んだが銀行から断られた、そんなときにもファクタリングを活用することができます。銀行融資の場合には御社の業績が融資の可否に直結するため、業績が低調な時(たとえば2期連続赤字、貸借対照表の純資産がマイナスになっている等)には融資を断られることも少なくありません。しかしファクタリングはその性質上、御社の業績は査定の対象にならず、売掛債権そのものの回収可能性さえ問題がなければ、債権を資金化することが可能なので、臨時的に資金が必要な場合にはファクタリングも選択肢の1つになるのではないでしょうか。

③資金繰りが慢性的に厳しくなっているケース
業種に関わらず、資金繰りが慢性的に厳しいと感じられている会社の中には、売掛金の回収に時間がかかるというケースを多々見受けます。特に建築業界、介護業界などはこの問題で悩まれている会社が多いように感じます。
そのような会社の場合には、売掛金を毎月定期的にファクタリングにより資金化するというスキームをおすすめします。ファクタリングする際には手数料がかかりますが、事業資金を安定させるということは経営を行っていく上でも非常に重要になるため必要なコストと考え

てもよいのかもしれません。

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