難しい借入と担保
個人事業主が借入をしようとしてもなかなか難しい場合が多いでしょう。多くの場合は担保を必要とされますが、連帯保証人になってくれる人などそうそう居ないかもしれません。血縁者に拒否されるとほぼ借入は出来ない可能性が高くなってしまうのです。
しかし、銀行も納得する程の経営計画や資金計画を持てばどうでしょう。当然自分で作りますから、血縁者を説得する裏付けや自信に繋がるかもしれません。
一度や二度断られるのは当たり前で、何度も説得を試みて良いと思います。その様な血縁者が居ないのであれば日頃の友人関係が重要となりますが、他人の連帯保証をする余裕のある人は少ないでしょう。しかし可能性があるのならば頑張ってみても良いでしょう。
た だし、連帯保証人は自分が事業に失敗して返済不能になると自分と同様に債務保証をする事になります。自分か借入をしたお金で事業したので良いのですが、連 帯保証人は基本的に何の金銭も受け取っていない筈です。つまり、一方的に債務を返済させられる立場になる可能性があるのです。
ですから絶対に連帯保証人に迷惑をかけないようにしなくてはいけないのです。しかし、大抵の場合は迷惑をかけないと言って迷惑をかけてしまうのですから、少なくとも事業内容の報告だけは定期的にして安心してもらうようにしましょう。
個人事業の借入はとてもハードルが高く困難ですが、それを乗り越える事さえ出来なければそもそもが無理だったのです。
努力する事を間違うと地獄
事業をしていて努力する事は当たり前でしょう。しかし、努力の方向が違ってしまうと地獄を見ることになります。
良くあるのは最初の債 務はちょっとした資金ショートが原因で借りたものでした。しかし、それを完済せずに営業を続けている内に金利負担が厳しくなり、また借りてしまうのです。 気が付くと返済の為に借りる事を繰り返してしまいます。とにかく毎月の返済を乗り越える為にあらゆる手をつくして頑張るのですが、次第にどうにもならなく なってしまいます。
実はこうなる前から薄々感じて入るのです。借金を返済する為に借金をしてはいけない事ぐらい誰でも知っています。
ただ、問題を表面化させないように先延ばしして一時の安心を追求しているのですが、当人は頑張っているつもりなのです。しかし、この頑張りは評価出来ません。何も生み出していないばかりか負債を増やしているからです。
そんな事を続けていてもダメな事に半分気付いているのに認めたくないのです。頑張れば誰かに認めてもらえて必ず成功するなら、世の中殆どの人が頑張ります。頑張っても結果が出なかったり意味が無い事もあるのです。
資金繰りに追われて乗り切る事だけが目的となってはもはや事業と言えないかもしれません。自分の事業を冷静に見て、可能性がないと判断したら頑張らない事も重要な場合があるのです。
現実に頑張っても悪化しているだけなら、一休みして自分を振り返る余裕を持ちましょう。責められても自分の人生は自分で決めるものです。攻める人が代わりに生きている訳ではないのです。
カードローンを短期で利用するつもりが…
事業資金が足りなくなり個人のカードローンで一時立替する事があるかもしれません。カードローンは高金利なのでなるべく早く返済をしないと、金利負担が馬鹿になりません。
もちろんそのつもりで借入したのですが、結局完済せずに毎月返済を繰り返してしまう様になりました。当初の目的とは違ってしまっています。これをしてしまうとどんどん資金管理が甘くなります。
カードローンから借りればなんとかなると考えて、事業資金の管理がいい加減になり始めるのです。本来は工面して支払う経費が、カードローンで借りれて支払えると考えて工面すらしなくなります。そして分かっているのに考えないようにして事業の経営がどんどん悪化し始めるのです。
事業で借入する時には出来るだけ高いハードルを利用して誰もが納得する理由で行うべきですが、個人事業である事に甘え責任を放棄すれば簡単に崩壊する事が出来ます。
自分の大事な事業をこんなふうに駄目にしてしまって良いのでしょうか。元々の計画が甘くて予測とは違っていたのならば、どこかで修正しちゃんと立て直す必要があります。
それもせずに安易に借入をしてしまうのは、個人事業ではなく、個人でしかものを考えていないのです。そのような人に事業は向きません。早々に足を洗ってサラリーマンをした方が良いでしょう。
事業にとって何が良くて何が悪いのかも判断出来ない、もしくは判断したくないのならば、事業をする資格が無いのです。